2019年6月:G20大阪サミット

中洲、中之島を挟んで流れる川の1つ「土佐堀川」。

もう一方の「堂島川」にかかる田蓑橋。

G20の初日の朝、改札口から地上に出たら、目の前が警官の列だった。
仁王立ちする警官の背中に、長野県警や静岡県警など様々な県名が書かれていたので総動員令でも出ているのだろう。運転席以外は窓ガラスがついていなく覆面しているかのようなバスも、そこかしこに止まっていた。

後ろから西洋人観光客が駆けよってきて、そんな重々しい雰囲気なぞ気にも止まらないといった風で、3人の白人美女が1人の警官を取り囲み記念撮影をしだした。信号待ちをしていた私は苦笑いする警官の表情をこっそりと盗み見するのだった。

この日は、午後休みを取り相棒とお出かけをする日だった。田蓑橋にかかる往来は普段もひっそりしているけど、交通規制で一層さびれて見える。

昼ご飯は、胚芽入りうどんが珍しい「讃く」で頂いた。

無謀にも相棒はカツ丼とうどんの定食を注文し、案のじょう量の多さに後悔していた。
うどんは、スルスルッとすするのではなく、麺の太さもあいまってしっかりと噛んで食べる感じのうどんでした。東北地方で伝わる「そばのかっけ」や、割りばしに練った全粒粉そばをつつんで焼いて味噌をつけて食べる「うちわもち」に近い食感で、好みは分かれると思うけど食べログの評価はなぜか高かった。

食後は古本屋へ寄り道。「本は人生のおやつです!」という店名なのだ。ここで店主と宮本常一について「ファンなんです」「私も好きなんです」と言葉を交わす。もっと熱く語るべきだったか。
しかし特定の古本屋を好きになるのは、ジャンルがはっきりしていて、それが自分の好みに合っている時である。もっと売る本を絞ったり、店主の好きなジャンルを強調したほうがいいと思うのだけど、イベントを盛んに開催したり参加もしているようなので、目線は「本をめぐる交流」を大切にされているのかもしれない。

なぜか私の勤め先の看板を撮影して帰途につく。他の大企業の看板も並んでいて、そのどれもが何らかの社会的問題を抱えていたり過去に引き起こしているから、というのが撮影した理由。個人の名前がうやむやになる企業という欠点。まあ、そんなことを語り合いながら相棒と日の暮れた中之島を歩くのでした。