2020/04/04:開墾日記

斉明天皇陵墓の麓に咲く桜は、他より早く、すでに葉桜になりかけていた。
太宰治の「斜陽」で、主人公が「日本で最後の貴婦人」として憧憬の眼差しを向ける「おかあさま」が言う台詞がある。曰く「ピンクには曇った空の色が合う」、これが好きなのだ。もう少し前の満開であったなら、見応えはあったのだろうか。いや、そもそも、曇った空が…というセンスは私は持ち合わせていない。

先週、耕作した竹藪そばの畝に、ベランダで栽培していたミョウガを植え替えたのだけど、あまりにも干からびすぎて再生できるか自信がなかったため、新たにミョウガ根を購入して追加投入した。2畝にしたのは、それぞれずらして3、4年置きに根の間引きをする事を考えたためである。ミョウガが大好物なので、植えるからには毎年食べたいと欲張ってしまうのだ。

さて、本日の開墾から「剣先スコップ」という道具が加わった。これが素晴らしい戦力で、テコの原理によりすっかり固まった土地を掘り起こすのが楽になった。

雑草や藤の根にまみれた土地も、剣先スコップにかかるとご覧の通り、こんなに綺麗になる。この畑の近くを何度か通っているのに、藤の花は見たことがない。一体どこから藤の根が伸びているのか?と思う。左の柵に寄せた棒キレの山が、掘り起こした根っこである。こんなにもたくさん取れてしまった。
畑なら鍬、鋤、鎌というものが、三種の神器のごときイメージになっている。が、ここは畑にもなっていない荒地なのだった。開墾なら剣先スコップが必須なのである、これに尽きる。

前回訪問した「台湾料理 福旺」で昼ごはん。4月から蘭州拉麺を始めると言うから楽しみにしていたのに、気が向いた時にしかやっていないと言う。仕方なく、刀削拉麺と坦々拉麺を注文したら、麺以外は全部一緒だった。でもシンプルで安心感のある味付けなので、再訪はしやすい。

食事をしていると、ふっとある想像が膨らんできた。畑で落ち葉や枯れ木を燃やしているのだったら、フライパンを持参して焼肉をやったら楽しそうだなあ…と。今度、チャレンジしてみよう。

午後はサトウキビを2本埋めた。今年の2月の香川旅行で和三盆の事を知り、そこから原材料となるサトウキビに興味を持つにいたった。「讃岐三白」と言う言葉もあるくらいで砂糖、綿、塩が特産物だったのだという。
沖縄でしか発育しないと思っていたサトウキビが香川で栽培されていて、しかもサトウキビの茎が大阪の種屋に置いてあった。畑も無料レンタルできたとくれば、試してみたくなるね。

どんどん開墾していかないと、買ってきた種のまき頃が過ぎてしまう。新たな道具を導入すべきか。