2020/04/26:開墾日記

桜が散り、やがて若葉の新緑が濃くなってくると、ツツジの色彩豊かさが目につくようになる。白や赤、紫など色取り取りの咲き乱れるツツジは雰囲気を明るくしてくれるが、斉明天皇陵に向かう途中のツツジは風情があって好きだ。日中でも薄暗い竹藪の中をひっそりと立っているので、モヤがかかったような色合いで、優しく見えるのだ。こういう色は、言葉の響きから「あやめ色」か「若紫色」が相応しいのではないか。

今日は初めて「イタドリ」を見た。食べた事はあっても、生えているのは見た事がなかった。それが我が畑にすくすくと生えていたのだ。雑草扱いのイタドリを見ないのも不思議な話である。よほど住居区域から「雑草」を駆逐しているのだろう。

頑張って一日中開墾をする。笹とマルチだらけのゾーンに入ったので、これまでとは違う悪戦苦闘を味わう羽目になった。いや、笹の方は問題なく処分できている。スコップで地面を突き立てて根を断ち切り、浮いてきた根も取り除けている。マルチが厄介なのである。
何枚も重ねたマルチは劣化しているため、一気に剥がせない。上に被った土や雑草を取り除きながら、少しずつ剥がしていく。剥がせたと思ったら、下にまたマルチがあった…の繰り返しで、一番下のマルチは、すっかり土と同化してしまい剥がしにくい事この上ない。

耕していくと笹とフジの根がよく出てくる。下写真の黄味がかった大量の白い根が笹で、その上に置いた濃茶色がフジの根である。本当にこれがあの「藤の花」のフジなのか。せっかく教えてくれたのにいまだに疑わしい。

蛾の幼虫を発見した。未発達の触覚が、「ふなっしー」や「くまもん」のような萌えキャラに似ている。成長したらどんな姿になるのだろう。

本日のお昼は自家製生ハムとオカラのタイタンをぶち込んだ手抜き弁当である。午前いっぱい身体を動かしたのと、春あふれる景色の中に居る爽快感がスパイスとなって、手抜きでもおいしく感じる。

着物ダンスの一部を貰ってきて、畑道具の入れ物として使っている。開墾をスタートしてまもなくのころ、破損の激しい木造ダンスやら机や桶など乱雑に積み重なった集積場が近くにあって、好きなのを持って行って良いと言ってくれた。ブルーシートも被せやすいし、雨に濡れる心配もなくなった。が、まだ荒れ地なので扉が雑草に引っかかって開け閉めしにくく、ダンスの設置が安定していない事が気になっていた。

ダンスの置き場をならして固定させることを目標に頑張った結果が下写真である。ずいぶんと使いやすくなってご満悦のカシ男・カシ女二人であった。翌日、M氏が苗をたくさん持ってきて、全て植えたらダンスの置き場がなくなり、元の木阿弥となることは知らずに。